「ヴァーチャル」「リアル」の二元論はもはや無意味な時代

インターネット普及の黎明期には、ネット上の世界を現実の世界と対比の上で「ヴァーチャル」と呼ぶことが多くありました。ちょうどヴァーチャル・リアリティを題材にしたいくつかの映画などが脚光を浴びていた時期とも重なり、一種の用語のような印象を受けたのは私だけではないでしょう。ネット上の世界がヴァーチャルであるのは、一面ではその通りです。しかし現在におけるインターネットの存在の仕方、人々のインターネットとの関わり方を観察してみると、もはやヴァーチャルの側面だけでは捉えられない状況になっていると感じています。インターネット上に社会を形成し、そこでの人間関係、行動が現実社会に大きな影響を及ぼしている現在、両者を明確に区別して、「仮想」「現実」という二元論で考えてゆくことが無意味となってきています。そこで今一度、現在の状況を鑑みながら、現実世界とネット世界を比較しながら、私たちとの関係性を探ってみたいと思います。